グランプリ出版 ISBN: 4906189318
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最初の「ベストライディングの探求」を執筆してから4年以上の月日が流れ、そろそろ改訂版を出そうか、ということになった。 しかしいざ取りかかってみると、こっちを直さなけりゃ、いやあっちも、こんな内容も加えなけりゃ、というわけで、部分的には多少の内容を流用したけれど、結局は全部を書き直してしまった。 書き直さなければならなかった理由はふたつある。 ひとつはバイクの変化だ。 ラジアルタイヤの本格化、サスペンション性能の向上、フレーム理論の進化、広い意味でのエンジン性能の向上……。 そうしたハードウエアの変化が、テクニックの本質的なところは同じでも、その使い方、あるいは組み立て方を変えた。 もっと大きな理由が、僕自身の変化である。 人間はひとりひとり身体つきが違うし、考え方も違う。 フォームはもちろんのこと、バイクの操作方法もひとりずつ違っていて当然である。 そして同じひとりのライダーであっても、テクニックは日ごとに変化するものだ。 僕の場合も、こうやって乗った方がいいみたいだ? こういう乗り方もあるぞ! という新しい発見に似たものが、毎日のようにある。 だからバイクは永久に面白いのだけれども、そこで4年以上もたってしまうと… というわけだ。 ところで、世界最高のテクニックを持つGPのライダー達にしたって、これまたひとりずつライディングスタイルが違う。 最速という単純なひとつの目的にみんなが向かっているにも関わらずである。 じゃあ、どれが正しいのか。 誰もが正しい。 しかし、あなたにとっては、どれも正しくない。 そう思っていた方がいい。 ライディングテクニックというのは、宇宙に浮遊する混沌としたガスの塊のようなものだ。 その中心あたりに、多分、真理みたいなものが存在しているんじゃないか。最初は誰もが、その塊の一番外周からとりかかる。 右往左往しながら、人それぞれのテンポで、中心に向かっていく。 そうして塊に挑んでいくときに、しかしひとりずつ塊に取り付く位置が違う。 外周からどれだけ奥に入っているかの差もある。 使用しているバイクの違いもある。 だから誰かの走りを見る、意見を聞く、本を読むのは、その様々の道程の一点を見ているにすぎない。 一面的に見れば差異ばかりが目立つ。 しかし、その探求している方向は、どうだろう? この本では、僕が歩んできた、そして現時点で歩んでいる道程での各種バイク操作方法と考え方を紹介していく。 しかしそこから自分と自分のバイクに合った実践的なテクニックを導き出せるのは、あなたしかいない。 そのヒントになることを祈って、今の僕のすべてをここに込めたつもりだ。 なお、内容充実のために、前作では公道走行編とレーシング編の2部構成であったのを、今回はレーシングテクニックを参考として紹介しながらも、主題は公道走行一本に絞ることにした。 にもかかわらず、総文章量は増えてしまった。 また僕の駄文では表現しきれないニュアンスを描くには不可欠で、しかも微妙な描写が要求されるイラストも、すべて新たにした。 そのワガママからグランプリ出版の尾崎桂治氏とイラストレーターの村井 真氏には多大なご迷惑をおかけしたけれど、自分を精いっぱい表現する機会を得られたのは、本当に幸せだと思っている。 つじ・つかさ
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