この企画の価値は、まずロケーションの素晴らしさだ。本州中央部分をバイクで走りまわると、島国とはいえ日本の自然のでっかいスケールを全身で浴びるように感じられる。今回の場合で言えば、静岡の太平洋岸近くから北上し長野を縦断、群馬県にまで至るルートである。南アルプスの懐、2000m級の尾根筋などを走りながらアップダウンを繰り返す。その道は、高速道路なみに飛ばせるところもあれば、簡易舗装の林道レベルも多々あり、その状況変化がじつに日本の峠的で愉快である。3000m級のアルプス群や爽快な唐松林といった絶景を堪能しつつ千変万化の道を風のように走り抜ける、これぞ日本の公道スポーツ、といった世界にドップリと浸れる。 もうひとつの価値。それは実行エリアの意義であり、tsuji自身はこちらの価値のほうを重く思っている。ここはニッポンの西と東の接点であり、出発点の浜松は関東からも関西からも3時間程度でアクセスできる。解散場所も似たようなものに設定が可能。せっかくwebサイトというツールを使っているのだから、より広いエリアの人々が集う宴を催さなければ。そもそもが、その発想から生まれた企画なのである。 その思想を今年は発展させ、3日間の開催とした。3日間を通しで参加するもヨシ、都合のつくどちらか2日間だけの参加とするもヨシ。tsujiとしては運営管理が複雑になるが、この設定ならば、より多くの人々が集えるのではないかと思った。普段は生活圏もライフスタイルもまるで違う脈絡のない人々が、ともに走り、ともに語らう時間を作りやすいと思った。あるいは、より深くニッポンのど真ん中を味わえるのではないかとも思った。 その思惑は、まず当たりだったと思う。北は仙台や郡山、関東周辺はもちろん、西は京都から、のべで20名の参加者が集う宴となったのである。 以下はそのレポートだが、風景やルート、道路状況についての紹介はわりと省いている。初日と二日目のそうしたものについては、2004年版のレポートを参照されたい。浜松→茅野までの間は、同じルートである。目新しいルート紹介よりも、全国各地からバイク人が集うことに価値があると判断した企画だ。様々な人々が集うバイク旅の面白さに重きを置いて報告してみようと思う。 しかしながら、その本当の愉快さは、実際に参加した者にしか分からないのかもしれない。いや、情景とか道の素晴らしさも、結局は同じことだ。参加した方々には想い出を振り返る、そうでない方々には一歩を踏み出す勇気、その点火栓としてご覧いただければ幸いである。
![]() ![]() ![]()
ってことで、東名高速の浜松I.C.で集合した面々は、街なかの喧噪を避けて最初は天竜川沿いの快走路を北上。やがて、喧噪地帯を終えたR152へ合流し、さらに少々進んだところで一休み、というのが上の写真である。駐車場が大きなこのスーパーは昨年も使用したが、出発点からの距離が一休みにちょうどいいし、夜の燃料などを仕入れるのにも都合がいい。それにしても、今年も暑いなぁ。昨年は晩夏の9月、今年は梅雨入り直前の初夏であるから当然か。まあ、文句を言ってはいけない。まずまずの好天に感謝し、丁寧に剃髪して臨んだ拙僧にお布施を出しなさい、うん? 誰もその気はないようであるな。 ところで右下写真のご両人、HideとHitomiは昨年のこの企画でアツアツでしたね(04年レポートの最後のほうを参照)。で、こうなってしまいましたオメデトウ! 昨年は双方独身で、Hideは全体運営のカナメ役をやってくれたのだが、今年は無理でした。でもね、浜松I.C.近くの集合場所にふたりそろって来てくれて、市街地からここまでの道案内役をやってくれたのだアリガト〜多謝です。来年は絶対バイクに乗ってくるからねTDMが待っている、とHitomiは申しておりました。HideのCBR1000RRも、でしょうなぁ。いろいろと難題はできるでしょうが、待ってますよ、そしてお幸せに。
そんなスポーツライディングをひとしきり愉しんだところで、水窪(みさくぼ)にて休憩。道の駅、というわけではないのだが、ここは設備がちゃんとしていて落ち着ける。そして何より、ソフトクリームがある。さっき鰻を食ったばかりだろうって? いやいや、SALIDAのツーリングといえばアイスである。でもtsujiが無理矢理食わせているというよりは、youmin姉様(左写真奥の左側)の大好物だからではないか、と最近気づいた。日本全国のアイスに精通しているとかいないとか。走りも食も最高にパワフルな人である。 さて皆の衆よ、くつろぎもそのあたりで、そろそろ出発しませう。暑い暑いなどと言っておるが、山のほうの空を見よ、あそこは豪雨が降っているはず。各自、自己責任で準備して雨空地帯を突破し兵越(ひょーごえ)峠を越えるぜ。
この峠は静岡と長野の県境で、R152の難所のひとつである。というか、峠の手前は高速道路の作り(ホント)なのだが、峠道に入った瞬間に大型車通行不能の狭い道になり路面もかなりの荒れ荒れに。同時に国道番号が消滅する! いや愉快。 上写真は、長野県側の南信濃村に降りてガス補給の図である。この先、しばらく国道を走った後にまた山=しらびそに上がってしまうとスタンドはない。その先も、ずーっとない。しらびそから大鹿村に降りてもない。あるにはあるのだが、農協系のスタンドばかりで、日曜日は休み。昨年の教訓から、ここで給油である。 余談ながら、拙僧はここで給油しなかった。乗っていたバイクはBMW製である。スポーツ性重視のK1200Sとはいえ、BMW車なのだから250km程度の航続距離を備えていないはずはない。翌日、茅野で入れればよいと考えた。がぁ、じつはアマかった。燃費は、高速巡航なら18km/L程度と悪くないが、ワインディングで開け気味にすると13〜11km/Lくらい。しかもだ、タンク容量が19L(そのうち警告が出るリザーブ相当域が4L)とBMW車にしては非常に少なく、山間部だと200km走行弱で「給油せよ」の警告が液晶パネルに出てしまう。安心して使えるタンク容量は実質15Lくらいかなぁ。翌日に高遠(たかとお)で給油して事なきを得、皆の衆に罵声を浴びせられる事態は避けられたけどね。
この日は最高の天気とは言えなかったし路面もウエット気味ではあったが、雨はほとんど降っていなかった。そして下栗の里に着いてみれば、南アルプスもちゃんと見えていた。天気予報からすれば、上出来のコンディションである。そこで昨年同様のポイントにて記念撮影。だが皆の衆は、ノリがイマイチだな〜〜〜ヘルメットを脱がないヤツも多いぞぉ。まあ、ちょうどこの写真を撮ろうと思ったときにパラパラッときたのではあるが、なんだこれくらい空は明るいぜ。 ま、いいっか。ノレないものは仕方がない。とっとと行くぜ。あとは比較的平坦な10km少々の道、まあ石ころとか枝とかは多々落ちているが、それが公道というもの。かぁ〜るいもんだ。風呂が待ってるぞぉ。
なお、上の2カットはEARTH@FZ400氏のご提供であります多謝。最近、一眼レフのデジタルカメラであるキャノンのキッスデジをご購入で、いろいろと撮っていたのだが、その一部を譲っていただいた。やっぱり拙僧の35000円カメラよりは格段に解像度がいいねっぇ、とカメラしか誉めないtsujiであります、いつものことですが……悔しい。
そして夕食。いっただっきま〜す。この宿は上村(かみむら)の村営で宿泊費は民宿程度だが、部屋は綺麗だし、食事も美味しくて量が多い。周囲のロケーションも最高でお勧めだ。詳細はwebサイトのハイランドしらびそにある。ただ、05年10月から上村は飯田市に吸収合併されるため、このURLが継続するかは不明である。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
で、飲む、喋る、飲む喋る、飲む喋る飲む喋る飲む喋る飲む喋る。飲む飲む飲む飲む飲む飲む飲む飲む飲む飲む飲む飲む飲む飲む飲む飲む飲む。上左端写真の顔が大きい御仁=UNO氏に関してだけは全然飲めないんだが、飲んべえたちと同じように騒いでおる。その右写真では、EARTH先生もガンガン飲んでおられる。左側は青ロク氏ね。奥でおとなしそうな笑顔を浮かべてるBJOKE氏も、じつはけっこう飲みます。youmin姉様と酒瓶を較べ合うnao氏も、青ロク抱えてる部長もその奥の青ゾウ氏も、もう完全にデキアガリ。 そして酒の席といえば、下列右端におられる夜の女王ことHiromi女史。この日の後半はフルスロットルを通り越し、120%開度で飛ばすは飛ばすは。すでにもう目がイッってます。翌日は体調がイマイチといっていたが、そりゃそうでしょ。 じつはこの騒ぎの中、外では空がどんどん晴れていった。昨年ほどではないとはいえ、かなり多くの星が、天の川が、そして流れ星も見られた。そいつを眺めながらの入浴を今年も愉しめたのだよホント。飲み飲みに没頭していた輩、飲み疲れて寝てしまった輩は拝めなかったな、残念でしたねぇ。
んなこたぁ〜いいやな、気ん持ちいい〜っ! 最高の朝です。 その朝日の中、8時ころにはリグ氏が愛車CBR900RR(名車98年型であるところがポイント)でご到着だ。愛知県は豊明市の自宅からの来襲であるご苦労。何しろ静かな山の中、はるか遠くからCBRサウンドが近づいてくるプロセスを皆の衆は耳で愉しんでいた。途中で音が消えたりしねぇ〜だろ〜なぁ、とか言いながら。
道なりに進むと地蔵峠から大鹿村になり、同時にR152の看板が復活。だからといって路面がよくなるわけでもないが、ここから高遠へと向かう道もじつに素晴らしくダイナミックである。その道中で、相模線氏も追いついてきた。神奈川県からの出撃であるご苦労! 愛機VTR(250)のフル性能を引き出しての追撃であったとか、なかったとか。
以後、高遠で給油(tsujiのせい)しつつR152を追って茅野へ出る。この道は、枝突峠より手前の高遠側が良路ハイペース巡航タイプで、それまでとは違ったスポーツを堪能できるのがお楽しみ。峠より茅野側は、コークスクリュー状態の下りでこれまた愉快である。 茅野で昼食。昨年は”ほうとう”だったが、今年は信州蕎麦とした。食後に2名が離脱して帰路に就く。そう、今年はあちこちで合流と離脱があり、管理者としては(管理してたかよ?)手間がかかるのだが、1泊2日企画や日帰りでも、SALIDAはそういうスタイルを目指してきた。兵隊さんじゃあるまいし、最初から最後まで隊列を組んで規律正しく、なんてねぇ。バイクは自由の翼なんだからさ。申告なしの勝手は困るが、事前に申し出てくれていればエリアごとの名簿を作ればいいのだ。少しでも広いエリアから、脈絡のない様々なバイク人が集えるよう、今後とも努力するつもりですハイ。
そのR299が八ヶ岳山脈を越えるポイントが麦草峠だ。峠よりちょっと手前に写真の麦草ヒュッテがあり、ここがなかなか気分だった。内部の食堂に上がりコーヒーなどすする面々もいたな。白駒池への登山道入り口がある大駐車場などより、よっぽど趣がありまする。 しかし……なぜかビッグオフが増殖しつつあるSALIDAだ。拙僧の責任ではない(と思う)が、日本の道を風のように駆け抜けるのには最適の機種のひとつに数えられることは確か。そこに八丁堀氏のドゥカティSS900(赤から白に変身)が同居している様が何となく面白かった。反対側にはCBR900RRも、そしてVTRも。この雑多感がtsujiは大好きなのである。 のんびりしたあとは、2名が離脱しつつ山を東へと下る。今来た道を戻るのはバイク人としては極力避けたい。それにR299を走りきってR141を少し北上し、臼田町あたりから左に入ってR152の大門峠へ出る【蓼科スカイライン】はけっこう面白そうだ。いや、確か以前に走った気がするぞ……中高速ワインディングの連続で愉快だったような……。っていうtsujiの気分で行ってみたら、これが最高に面白かった。中高速ワインディングはですね、少しはあったけど、多くは予想とはまったく違う道。勘違いであったが、面白かったからいいじゃんねぇ。あっ、新しいツーリングマップルには載ってませんよ、13万分の1縮尺の昔ので探してください。挑戦してみるのもいいでしょう。何しろ愉快なんだから。
その酒の由緒を聞き、皆の衆は目が真剣になった。あの越乃寒梅の酒蔵、石本酒造が高級日本酒を作るときに出る酒粕を使用し、最高の技術と贅を尽くして生み出す焼酎なのだそうな。そしてこれ、お得意先に配るためのもので非売品。値段がないということは、時価である。”うえっち”が購入した価格はと聞けばこの4合瓶で、なななぁんと29000円! いよ〜ぉ太っ腹!!! ブランドもさることながら、価格に対し超敏感にリアクションする面々。その価格は、なんと相模線の愛機購入価格とほぼ同じなのだからすごい(どっちがすごい?)。その場で銘酒VTRとの名が付けられたよ、石本酒造は怒るだろうなぁ。 当初は皆の衆、その価格にビビッて少量ずつ舐める。拙僧も舐める。口腔を突き抜けるさわやかなアルコールの刺激、続いて広がる芳醇で強いけれど上品な香り。これは、いいっ! と思ったのは拙僧だけではなかった。次から次に差し出されるグラス。やがて、舐める程度が、飲む程度に。リグさんコップじゃんよ。ったく遠慮を知らぬ連中だ、拙僧の分も残しておきなさいってば聞いてるのかよっ。 と騒いでいるところに、夕食の後かたづけを終えたオーナー登場。右端の写真がその人、知る人ぞ知る川添晴弘氏であ〜る。”うえっち”から銘酒VTRを注いでもらう、この表情。飲んべえ以外の何者でもないことを証明している。じつはこの人、tsujiは四半世紀以上のつきあいとなる先輩であるが、まあそんなこたぁーどーでもいいやな。セロー1KHとハーレー883を所有し、バイクと自然と酒をこよなく愛する人物である。風貌どおり、アバウトな性格で心優しくもある。
![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
ついにnao@R1100GSは、隣室のゲームルームでダウン。まあいつものことである。ここなら朝まで放っておいてもいいから安心安心。相模線が吠える、リグ氏が突っ込む(下段中)。そして、いつもはおとなしいRocky氏もブンブン全開モードであるぞ知ぃ〜らないよん(下段右)。 ![]() ![]() ![]()
絶好調とはいえ、遠路組みはそろそろ帰路を計算する場所。ツーリングとは、どこかへ行くことではなく、確実に帰り着くことだからね。部長とnaoの仙台組み、及び郡山の青ゾウ氏は、そろって日本海経由で。豊明市のリグ氏と京都の京250氏はツルんで美ヶ原など走りつつ中央道へ。それぞれがここで離脱となった。 でもねぇ、関東組はまだ余裕シャクシャクでしょうに。もう少し遊ぼうぜ。というtsujiのそそのかしに、残りの面子はまんまと乗ってきた。面白げな道が、あるんだよ、ご案内。ってtsujiも地図から想像しているだけで行ったことはなく、嗅覚だけの行き当たりバッタリ。でもそれがバイク旅じゃんねぇ。さあ行くぜ!
だけどさ、翌日は普通に写っていたが拙僧のカメラ、そろそろ……かなぁ。 それはさておき、御一行はこの後、さらに尾根伝いに進んだ。5kmほど未舗装路だったが、そんなもん平気。というか、オフ車軍団は嬉々としてtsujiに砂塵を浴びせてすっ飛んでいった。K1200Sじゃ無理はできない(壊したら怒られそうな気が---ちょっとね)けど、けっこう走れるねじつは。というテストをしたのは、BMWジャパン様には内緒である。 そのダート道からの眺めは素晴らしかった。車坂峠から小諸への下りコークスクリューでの走りも、じつに愉快であった。皆の衆も、満腹状態でそれぞれの帰路に就いたのであったよ。 以上でおしまい。さて来年はっと……。 ***********************************************************
■tsuji@SALIDA てなわけで皆の衆、またいつかどこかで。 |