Since 2001.03.12



■SALIDAならではの企画『村調査』シリーズ。その2010年夏版である『戸田村調査その1』は、つつがなく終了いたしました。猛暑を若干経過し、ほどよく夏らしくほどよく爽やかな二日間でしたよ。
 詳細写真集は掲示板にてご紹介していますので、ご興味のある方はご覧ください。


■9月の勉強会は参加者簿種を締め切りました。次の『勉強会』は10月16〜17日を予定していますヨロシク!
今年も勉強会ACTを2〜3回ほど開催していきます。まずは9月25〜26日の開催分に関し参加者の募集を行っています。興味のある方は【拓らみ案内】あるいは【学びの扉】をご覧ください。


■BMWのS1000RR。写真師に敬意を表し、フレーミングや色味は一切無調整です。
 Many Thanks! 長谷川徹写真師 Special Thanks! "BIG MACHINE"


■それにしてもですよ。「コーナリング中のtsujiの手首を撮影せよ」という編集者の無理難題と思われる要求に対して「かぁ〜るいもんよ」と応え、こんな写真を撮ってしまう長谷川先生であります。もちろんこの写真もトリミングなしフレーミング無調整。
<<<そんなことは横に置き。

■「BMWはいったいどこへ行くんだい?」と疑問を抱き始めたのは、いつのころだったか。横置き直4エンジン搭載のニューKシリーズ登場のときもややいぶかしくは感じたが、軸足は歴然としてスポーツツアラーにあり、1923年のR32から続く同社の世界に居ると思った。未熟な湿式多板クラッチなども、いずれ改良されるだろうと思った。だが、650cc単気筒エンジン+アルミ鋳造フレームという同一基本構成で3つのバリエーション展開をやったGシリーズが登場したときには、驚きを通り越して唖然とした。G650シリーズにはBMW独自の思想を見いだすことが困難だった。
 G650シリーズは極端な例であろうが、とにかく矢継ぎ早にあれやこれやと指向の異なるいろいろなモデルを繰り出すBMWに、戸惑いを抱いたのは僕だけではないだろう。フラットツインだけにしがみついていては生き延びられないのかもしれないが。
 日本人の多くが思っているほどBMWは保守的ではない。むしろ先進技術に貪欲であり、世界初の倒立フォーク採用だってBMWだ。加えて時代が急速に変化している昨今、何かをやらなければという企画意図も分かる。Kシリーズなどは独特の車体構成などを活かし着実な進化の道を歩んでいる。フラットツイン系のRシリーズほど円熟の境地には至っていないかもしれないが、ひとつのBMWワールドを築き拓き続けていると思う。
■じゃあS1000RRはどうなんだ。まったくもって日本車が作り上げたジャンル、構成フォーマットも直4+後輪チェーン駆動+アルミ製ツインスパーフレームと、まんまである。BMWだからという言い訳なしの分野に突っ込んだこのモデルは、コストパフォーマンスを含め他車と比較して買ってくださいね、という姿勢である。それ、BMWとして、どうなのよ?
 フィロソフィー論は横に置いて、まずその出来映え。
 結論から言えば、非常によくまとまっている。エンジンもシャシーも総じて乗りやすく、奇妙なクセなどは皆無だ。そして速い。本国仕様の193馬力には残念ながら乗ったことがないけれど、日本仕様の156馬力でも、去勢された情けなさなどはまず感じない。注意深くチェックすれば13000rpm前後になると吹けがやや大人しくなるかな、という気はするけれど、それは抑制部分を探る気持ちでチェックしたときのことであり、基本的にはトップエンドの14000rpmまでスッキリ回りきる。本領は10000prm以上だが、これだけ回って、低中速トルクもしっかりある。3000rpmでもしっかり加速する。いや、低中速トルクがあるフリをしているのかもしれないがその演出も含め、全域で気持ちよく回せて実際に速いその仕上がりは見事である。日本メーカーの日本仕様などより格段に上出来だ。
 ハンドリングも、ヒラリと軽快ではないがしっかりとした手応えを覚えつつリーンさせればキッチリ旋回力が立ち上がっていくSS車の王道的な特性。初期旋回だけ極端に高める、といったことは乗り方を変えてもあまりできないが、まあここは今風なんだろう。旋回時のスタビリティは抜群に高く、スロットルをひねり込めば高い後輪トラクションによる連続旋回性能が発揮され、立ち上がりラインに向かうころには前輪が浮き上がる。トラコンをカットしていない限り、ウイリーはすぐに抑えられるので誰でも開け続けられる。
 BMWとしてはまったく未踏分野の処女作でありながら、この仕上がりは見事! 海外での2010年モデル比較テストでダントツの1位に推されたのも納得できる。トラコンの制御がやや荒いとか、フル制動時の制動力立ち上がりが不自然に急激だったり後輪がリフトしかけては落ちる挙動を繰り返すときがあるなど電子制御式前後連動ブレーキの制御プログラムには改善の余地がありそうなど、問題点を指摘することはできるけれども、SS車としての総体的な仕上がりからすれば、小さな問題となろう。とにかく、強烈なSS車の登場である。
 ただし、それら好評価は、従来のSS車を評価する物差しで、と但し書きが付くのではないか。SS車=スーパースポーツというものが大きな岐路に立っている今、もう少し違った視点での評価もなされるべきだと思う。『より速く』という純粋さ純真さこそがスーパースポーツの価値と言われ続けてきたとはいえ、時代が変わった。様々な規制など壁があっても技術は進歩し続け、今や排気量1000ccで200馬力近く、装備車重はABSなどを装備しつつも200kgちょいである。そのフル性能を楽しめる場所が、公道にはない。日本はもちろんのこと、欧州でも合法的にフルスロットル可能な場所はほとんどない。それに、もちろん直線スピードばかりを追求するのは、違うジャンルだろう。
■超高性能モデルを保有するのはステイタス。自己満足、プライド、己の地位の誇示。それは昔から続くこの手のモデルの価値基盤であり、それはそれでありだ。
 が、加えて何か。
 ヤマハYZF-R1の場合は、戦闘力よりも一般人が操る楽しさを得やすい味付けが重視されている。独特の回転フィールが楽しめるエンジンや、軽快なロール特性を主題にした車体などがその例だ。
 BMWのS1000RRの場合は、操る面白さという視点で見ると、走行特性に特段の個性はない。超高速でも普通に走れる見事さだが、普通だ。ただし、見て触っての質感が非常に高い。さらに乗り味にドイツ製の高級スポーツセダンみたいな感触がある。重厚さや緻密さなどが、車体全体の挙動でも、ステアリングの小さな動きからも感じ取れる。単なる安定志向ではなく、ドイツ流儀のアクティブ感覚とでも言おうか。 …………執筆中執筆中執筆中執筆中執筆中執筆中執筆中執筆中執筆中執筆中執筆中執筆中


安息の待つ入口より、
なにかが起こりそうな出口への扉を。
ならばバイクはよい道具だ。

Copyright (C) 2001 Tsukasa Tsuji.  
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